専門医療センター

最新鋭レーザー砕石装置の導入で、
進化する「尿路結石」の治療
泌尿器科領域で頻度が高い疾患のひとつ「尿路結石」。激しい痛みを伴うことが多く、救急受診される方も少なくありません。ここでは、尿路結石の治療法についてご紹介します。
■尿路結石とは
尿がつくられ、排出されるまでの経路を尿路といいます。尿中のカルシウムなどの成分が結晶化し、この尿路に滞った状態が「尿路結石」です。結石の多くは腎臓ででき、尿管などに移動して激しい痛みを引き起こします。また腎臓内で大きくなり、症状が現れないまま腎機能を低下させてしまうケースもあります。
結石の原因としては体質、代謝異常、内分泌疾患や、その他にも食生活などの生活習慣や肥満などが挙げられ、近年患者数は増加傾向にあります。
尿路結石の年齢別年間罹患率
■尿路結石の発生部位と主な症状

尿路結石はどのように治療するのですか?

A. 結石の位置や大きさ、状態により治療法が異なります。一般的に結石が10㎜未満で腎機能が保たれ、痛みがコントロールされている状態ならば、水分摂取や薬物による保存的治療法で自然排石を促します。
自然排石が難しい10㎜以上の結石や、自覚症状がなくても腎機能の低下や尿路感染のリスクがある場合には、下記に示す積極的な治療がすすめられます。
尿路結石の治療では、これまで体外衝撃波結石粉砕術(ESWL)が主流でした。しかし近年、内視鏡機器やレーザー砕石装置などの進化と手技向上により、TUL(経尿道的結石破砕術)の安全性、治療成績が飛躍的に高まり、第一選択肢として適用されるケースが増えています。当院では早くからTULに力を入れており、西三河地域でも有数の治療実績があります。
仕事が忙しくあまり休みたくないのですが、治療には時間がかかりますか?

A. 結石の積極的治療は、上記の経尿道的結石破砕術および体外衝撃波結石破砕術が大半を占めており、短期入院で施行でき、退院後すぐに普段の生活や仕事への復帰が可能です。
なお当院では、安全性や治療効果を考慮した上で、できる限り患者さんのニーズやQOLに配慮した治療を提供できるよう心がけています。心配なことがありましたら、遠慮なく担当医にご相談ください。
※入院期間はあくまで目安です。結石の状態や術後の経過によっては入院期間が長くなることがあります。
健診で結石が見つかりました。自覚症状がないので放っておいても大丈夫ですか?

A. 腎結石や小さな結石の場合は自覚症状がないことが多く、健診や他の疾患で腹部の画像検査を受けた際に偶然発見されることもしばしばあります。
結石を長期間放置しておくと、症状がなくても腎臓に負担がかかったり、ある日突然激しい痛みに襲われる可能性もあります。健診などで結石を指摘された方は、一度泌尿器科の専門医にかかることをおすすめします。専門的な診断を受けることで腎機能の低下や重症化を未然に防ぎ、いざというときにも迅速な対応が可能になります。