専門医療センター
■八千代病院 放射線治療センターの特色①
八千代病院は通院のしやすさを大切にしています。
①診療費一括払い制度
●放射線治療は、平日毎日、3〜8週間程度受けていただくのが一般的です。通常、毎回(毎日)の治療ごとにお支払いいただくため、毎日、治療後にお会計でお待ちいただく必要があります。
●そこで、「毎日の治療後のたびにお会計で待つのは大変」という患者さんの声にこたえるため、当センターでは、放射線治療を受けられる患者さん向けに、治療最終日にまとめてお支払いいただく「診療費一括支払い制度」を導入することになりました。

“診療費一括払い制度”
(2022年5月より始動)
「毎日の治療後のたびに会計で待つのは大変」という方々の声にこたえるため、放射線治療を受けられる方向けに、治療最終日にまとめてお支払いいただく制度を導入しました。
<通常の流れ>

<診療費一括払い制度の場合>

本制度は導入以降、
「この制度のおかげで、仕事と楽に両立できました」、「育児や介護で忙しい中、病院の滞在時間が短くて済んだのがとてもありがたかったです」など、多くの患者さんが利用され、大変喜んでいただいております。
➁完全予約制
●ご来院いただいてから待つことなく治療が受けられます。
例)9時頃に来院され、その10分後には治療室へ
➂時間調整の柔軟さ
●ご都合にあわせ、柔軟に治療時間を調整します。
例)職場のお昼休みを少し延長し、午後一番で治療を受けて、その後再びお仕事へ
●急なご予定が入った場合も柔軟に予約時間を変更します。
例)いつも治療は午前だけど、急用ができたので今日の治療は午後に
➃早朝からの治療にも対応
●朝は8時半前から開始。お仕事前の治療にも最適です。
例)朝8時半から治療をうけて、9時前には病院を出てお仕事へ
■八千代病院 放射線治療センターの特色②
八千代病院は体に優しい治療に力を入れています。
高精度放射線治療➀
●強度変調放射線治療(IMRT,VMAT)
放射線の強さを細かく変化させることで、腫瘍の形に合わせて十分な放射線を照射することができます。
腫瘍へ正確に十分な照射を行いつつ、周囲の正常組織への影響を最小限におさえ、副作用を軽減します。
対象疾患:前立腺がん、頭頸部がん、肺がんなど

前立腺がんに対する“強度変調放射線治療”
腫瘍の複雑な形に合わせて放射線の強さを細かく変化させることで、腫瘍の形に合わせて放射線を照射することが可能です。
この照射技術により、前立腺へは十分な放射線をあてながら、近くの直腸や膀脱への放射線量を減らし、副作用を軽減します。

より安全で効果の高い治療のために、スペーサーを注入します。
●ハイドロゲルスペーサー留置
前立腺に隣接する直腸は放射線治療による影響を受けやすく、放射線治療後しばらくして副作用が起こる可能性があります(晩期障害)。この副作用を減らすために、当院では以下の技術を導入しています。
放射線治療を始める前に、前立腺と直腸の間にハイドロゲルスペーサーと呼ばれるゲル状の物質を注入し、前立腺と直腸の間隔を広げます。直腸にあたる放射線量を減らすことで、直腸障害をおさえる効果が期待できます。
米国で行われた臨床試験の結果では、スペーサーの併用により
●直腸にあたる放射線量が低減
●晩期の直腸障害が低減
●性機能保持率が向上
など有用性の高いデータが示されています。

より正確な治療のために、金マーカーを留置します。
●金マーカー留置
当院ではハイドロゲルスペーサーの留置と同時に、金マーカー(VISICOIL)の留置も行っています。
強度変調放射線治療(IMRT)ではミリ単位で位置合わせを行います。直腸内の便やガス、腸や膀胱の状況によりずれる前立腺の位置を正確に捉えるため、この金マーカーが役立ちます。金マーカーを併用したIMRTにより、より正確に位置を調節し、放射線をあてることができます。

ハイドロゲルスペーサーおよび金マーカーは適応を判断した後、放射線治療前に泌尿器科医が留置術を行っています。いずれも 2018年から保険適用となっています。
高精度放射線治療➁
●定位放射線治療 (SRT,SBRT)
小さな病変に放射線を集中させる”ピンポイント治療”です。
大線量を短期間に照射し、高い治療効果が期待できます。
正常臓器への影響は最小限のため、副作用は軽微です。
少ない回数で終わり、通院の負担も少ない治療です。
対象疾患:脳・肺・肝・骨転移、早期肺がん、肝細胞がんなど
左乳がん(乳房温存術後)に対する”深吸気息止め照射”
●深く息を吸った状態で息を止めていただいて照射します。
●放射線があたる範囲から心臓を遠ざけ、将来の心血管障害のリスクを減らします。

深吸気息止め照射(DIBH;Deep Inspiration Breath Hold)
左乳がんの場合、乳房に適切な放射線量をあてようとすると、心臓の一部にも放射線があたってしまいます。
心臓にあたる放射線の量が増えると、治療後数年以降、心筋梗塞などの心血管障害のリスクが上がることが知られています。
そこで当院では、息を深く吸った状態での息止め照射(DIBH)を行っています。これにより,乳房から心臓を遠ざけ、心臓への放射線の量を減らすことができます。

自然な呼吸状態では放射線が強くあたる範囲内に心臓が含まれるのに対し、深吸気状態では心臓が離れていることが分かります。
■がん診療体制
地域に必要とされる
高度ながん治療技術を提供します。
手術・化学療法と並ぶがん治療の3本柱のひとつ、放射線治療。高齢化の進展や疾病構造の変化により、今後、地域で増加が予想されるがんの患者さんに対し、身近な場所で、身体への負担が少ない放射線治療を提供するため、当院に新たに放射線治療センターを開設しました。検診から診断、治療、術後サポート、緩和ケアまでの一貫したがん診療体制を整え、地域のニーズに応えます。
放射線治療の目的
●根治照射
単独治療 術前・術後照射
予防照射
●緩和照射
放射線治療は体への負担が少なく、体力的に手術が難しい高齢者や、他疾患により手術や化学療法が受けられない方にも施行が可能です。
また、手術や化学療法との併用により治癒率の向上が期待できるなど、がん治療の中で重要性が増しています。


■治療装置と治療法
目指すのは、患者さんにやさしい治療。
そのために、最新鋭の高精度放射線装置を導入しました。

放射線治療の効果を高めるために、これまでにさまざまな治療方法が工夫されてきました。近年はコンピュータ技術の発展、治療装置の飛躍的な進歩により、極めて高い精度で病巣に放射線を集中させ、正常組織にはなるべく照射されないようにする「高精度放射線治療」が可能となっています。

TrueBeam STxの性能を最大限に引き出す支援システム

■スタッフ体制
やさしい 治療を支える確かな技と、厳しい目。
放射線を用いた特殊な治療を行うため、スタッフには高い専門性が求められます。当センターには放射線治療医をはじめ、医学物理士、放射線治療品質管理士など、この分野のスペシャリストが集結し、それぞれの専門性を生かしながらチームで治療にあたっています。
![放射線治療センターセンター医長 渡邊祐衣[わたなべ ゆい]](images/radiationstaffs2022_dec.jpg)

■精度・安全管理体制
体にやさしいがん放射線治療をより安全に行います。

●放射線治療装置の品質管理を行うのは、大学病院などで実績を積んだ医学物理士と放射線治療品質管理士です。
●院内に、外部第三者を構成員に含む放射線治療安全管理委員会を設置し、品質管理の定期的な確認と、さらなる品質改善の検討を行っています。
●当院では、「第三者機関による放射線治療装置の出力線量測定」および「出力線量管理用測定器の第三者機関によるチェック」を毎年実施することを院内規定に定めています。

■ご利用案内
放射線治療センターの受診方法
当センターでは、原則的に医療機関から紹介をいただいた患者さんのみを受け入れています。
治療を希望される方は、主治医を通して当院患者支援センター 地域連携課にご連絡ください。
●当センターの放射線治療の適応については、こちら[PDF:137.2KB]をご確認ください。
●原則として外来通院で治療を行うため、患者さんは仕事や日常生活を続けながらの治療が可能です。
●放射線治療は身体への負担が少ないため、高齢者や他疾患により手術や化学療法が受けられない患者さんでも治療の対象となります。しかし、すべての病状に対して施行できるわけではありません。適応疾患でも検討の結果、放射線治療の適応外となることもあります。
■診察の手順

放射線治療センターに関する詳細は
こちらの案内をご覧ください。
(クリックするとPDFが開きます。[PDF:2.5MB])
■患者さん・ご家族からの相談・お問い合わせ窓口
八千代病院
患者支援センター 患者相談窓口
☎0566‒33‒9064 (直通)
Fax: 0120-811-814
受付時間
月曜日 ~ 金曜日/8:30~17:00
第2・4・5土曜日/8:30~13:00